この事例の依頼主
男性
相談前の状況
母親が亡くなり、その遺産について、兄弟同士の遺産分割交渉が難航しているとのことで、弟から依頼を受けた。
解決への流れ
相手方(兄)にも弁護士が就き、遺産分割調停を行うことになった。兄は若い頃から借金を繰り返し、兄弟の父母は生前から兄の借金の肩代わりをしたり、兄弟の母親が兄に小遣いを与えたりしていた。母親の家計簿から、借金を肩代わりした金額、与えた小遣いの金額をピックアップし、計算した。何十冊にもわたる家計簿から、該当ページをコピーして、裁判所に提出した。一つ一つの金額は少額であったが、合計するとかなりの金額になった。結果、裁判所も、兄への特別受益であることを認め、弟の方の遺産の取り分を多くすることが認められた。事案の詳細はこちらをご参照ください。http://www.kamiookalaw.com/category/1
小遣い程度であれば、特別受益として認められないのが原則です。また、小遣いを与えていたことの立証も、普通は難しいです。しかし、本件では、まず、母親が詳細な家計簿を何十年にもわたりつけていたことが幸運でした。そこからの洗い出し作業と、大量のコピーを裁判所に提出する作業はかなりの手間でしたが、兄が小遣いで生計を立てていたことを詳細に主張・立証し、裁判所も認めてくれました。遺産分割についての詳しい説明はこちらをご覧ください。http://www.kamiookalaw.com/isanbunkatsu