犯罪・刑事事件の解決事例
#行政事件

懲戒免職処分とともになされた退職手当支給制限処分の効力を争った事例

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尾畠 弘典 弁護士が解決
所属事務所尾畠・山室法律事務所
所在地福岡県 福岡市中央区

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

酒気帯び運転の罪などを起こしてしまい、これらを理由に懲戒免職処分を受けるとともに退職手当支給制限処分によって退職金全額の支給を制限された元公務員です。今回の件で懲戒免職となり退職金の全額が支給されない結果となるのは、重きに過ぎると考え、各処分の効力を争いたく、取消訴訟の依頼をしました。

解決への流れ

懲戒処分の対象となった事実関係について詳細なヒアリングを経て、周辺自治体に対する情報公開請求により他の自治体における類似事案に対する処分量定を調査するなど、必要な限りの情報収集を行っていただきました。処分時においては、企業職員であったことから、審査請求の前置は不要とのことで、審査請求を経ずに取消訴訟を提起しました。その中で、行った行為に対する処分としては懲戒免職処分と退職金の全額不支給処分が重きに過ぎること等を綿密に主張・立証していただきました。

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尾畠 弘典 弁護士からのコメント

公務員の懲戒処分や退職手当不支給処分に対する審査請求と取消訴訟は、基本的に期間制限があります。これを過ぎてしまうと、基本的には却下され、いかに違法不当な内容の処分であれ、覆すのは難しくなります。ただ、この方は処分時に企業職員であったことから、不服申立の前置の適用はなく、審査請求を経ずに取消訴訟を提起しました。近年、懲戒処分に値する行為がある事例であっても、退職金の全額不支給は重過ぎるとして、退職金の全額不支給決定を取り消す裁判例も出てきております。退職金の不支給になったとしても、すぐにあきらめるのではなく、まずは争う余地がないかを弁護士に相談して検討することが大変重要です。訴訟提起のためには綿密な準備が必要となりますから、自らの懲戒処分や退職金不支給処分の内容に対して不服がある方は、早めに弁護士に相談、依頼することが大きなポイントになります。