この事例の依頼主
20代 男性
相談前の状況
被害者の方はバイクを運転して交差点に差し掛かったところ、信号無視で交差点に進入してきた四輪車と衝突しました。この事故で、外傷性くも膜下出血、脳出血、びまん性軸索損傷等の怪我をされた被害者の方は、治療後も意識が回復せず、遷延性意識障害の後遺障害が残ってしまいました。本件では、被害者の方の意識が回復しないため、ご両親が当事務所に相談に来られました。
解決への流れ
本件は、盗難車両による事故であったため自賠責保険と対人賠償保険を使うことができませんでした。しかし、被害者の方のご両親が無保険車傷害特約に加入されていましたので、政府補償事業への請求と無保険車傷害保険への請求で手続きを進めることになりました。被害者の意識が回復していないことから、政府補償事業では1級が認定されました。その後の保険会社との交渉は決裂し、裁判となりました。裁判は約2年の時間がかかりましたが、最終的に2億7000万円の和解案が提示され、示談解決に至りました。裁判では、介護費用が争点になりましたが、弁護士が被害者の方の自宅を訪問して介護の実態を確認し、ご家族や介護の方から状況をお聞きすることで、裁判においても詳細な主張立証を行いました。その結果、家族介護費は1日5,000円、職業介護人費用は1日20,000円が認定されました。また、裁判では将来介護費以外の点も争点になりましたが、近親者慰謝料・介護のための家屋改造費・介護自動車の購入費用・将来の雑費等の請求が認められました。
本件は、自賠責保険・対人賠償保険を使うことができない事例でした。加害者本人への請求となると賠償金を回収できる見込みが立たない状況でしたが、無保険車傷害保険の契約があったことから賠償金の回収については心配することなく手続きを進めることができました。裁判では、自宅訪問、家族の方・介護の方からの聞き取りを行うことで、詳細な主張立証を行いました。その結果、2億7000万円という、被害者の方の今後の生活に十分な賠償金を得ることができました。