この事例の依頼主
70代 女性
相談前の状況
夫は既に亡くなっており,自身の相続人は子供3人。内1人は重度の障害があり,自分がこれまでずっと面倒を看てきた。自分もその子も高齢となり,自分が死んだときは他の子供に障害のある子供の面倒を看てもらいたい。候補者の方の子供とは話が付いているが,もう1人の子供がお金に汚いところがあり,折角障害のある子供のために残した財産を消費してしまうのではないか不安。
解決への流れ
障害のあるお子様については成年後見を申し立て,面倒を看る候補者のお子様に後見人になっていだきました。そのうえで,不安視されている方のお子様が財産関係に口出しするのを防ぐため,相談者と障害のあるお子様のために信託を設定して財産の保全をし,遺言作成,生前贈与を組み合わせて相続対策を行いました。結果的に節税効果も生じました。
生前の相続対策というと相続税の節税ばかりに目が行きがちですが,被相続人の想いを正しく実現するには,税法よりもまずは民法,(事業承継を含む場合は)会社法といった実体法をまずは考慮すべきです。弊所がご提案した仕組みにより,看護する親族は金銭面での不安や無用な疑いをかけられる不安から解放されて介護に専念することができるようになり,障害があるお子様も相談者の死後も親族の看護を受けて安心して生活していただけるようになりました。