犯罪・刑事事件の解決事例
#性格の不一致 . #離婚請求 . #財産分与

夫が財産分与に非協力的だったが、弁護士のサポートと離婚調停で適正な財産分与を実現した事例

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磯田 直也 弁護士が解決
所属事務所ルーセント法律事務所
所在地兵庫県 宝塚市

この事例の依頼主

40代 女性

相談前の状況

依頼者(40代女性・パートタイマー)は、夫(40代男性・会社員)との性格の不一致から離婚を決意されました。結婚生活は約20年に及び、その間に夫婦で協力して、夫名義の自宅(住宅ローン返済中)、預貯金、夫の会社の持株、生命保険などを築いてきました。依頼者が夫に離婚と財産分与の話を持ち出したところ、夫は離婚には渋々同意したものの、財産分与については「家も預金も俺が働いて稼いだ金で買ったものだ。お前に渡す分はない」と主張し、具体的な財産の内容や金額の開示にも応じようとしませんでした。依頼者は、長年家事や育児、パート労働を通じて家庭を支えてきたにも関わらず、このような夫の態度に納得がいかず、また、夫婦の財産が全体でどれくらいあるのか、適正な自分の取り分はいくらなのか、全く見当がつかない状況でした。このままでは、離婚後の生活に必要な財産を全く得られないのではないかと強い不安を感じ、当事務所にご相談に来られました。

解決への流れ

ご相談を受けた当事務所は、まず依頼者に対し、離婚時の財産分与の基本的な考え方(婚姻期間中に夫婦で協力して築いた財産は、原則として名義に関わらず2分の1ずつ分ける「2分の1ルール」)を丁寧に説明しました。その上で、夫が財産開示や話し合いに非協力的である現状を踏まえ、当事者同士の話し合い(協議)での解決は困難と判断し、家庭裁判所に離婚調停(夫婦関係調整調停)を申し立てる方針を立てました。弁護士は、依頼者の代理人として以下の活動を行いました。・離婚調停の申立て: 速やかに家庭裁判所に離婚調停を申し立てました。調停手続きでは、裁判所の調停委員が間に入り、話し合いを進めます。・財産調査: 調停手続きを利用し、夫に対して保有財産の一覧(預貯金、不動産、株式、保険、退職金など)を開示するよう求めました。夫が任意に開示しないものについては、弁護士会照会(弁護士法に基づく照会制度)などの法的な手段を用いて可能な限り明らかにしました。これにより、依頼者が把握していなかった財産も判明しました。・適正な評価と分与額の主張: 調査によって明らかになった全ての共有財産について、評価額(不動産査定、株式の時価評価など)を算定し、その合計額の2分の1を依頼者の正当な取り分として具体的に主張しました。夫側からは「自分が多く稼いだ」「特有財産(結婚前の財産や相続財産)が含まれる」などの反論がありましたが、弁護士が法的な根拠に基づき、一つ一つ丁寧に再反論を行いました。・調停での交渉: 調停委員を介して、具体的な財産の分け方(不動産をどうするか、預貯金をどう分けるかなど)について、粘り強く交渉を続けました。当初、財産分与に極めて消極的だった夫も、調停という公的な場で、弁護士が法的な根拠と証拠に基づいて具体的な主張を重ねたこと、また裁判所(調停委員)からの説得もあったことなどから、最終的には財産分与に応じざるを得なくなりました。結果として、依頼者は、夫が当初提示していた額よりも大幅に多い、適正な評価額に基づく2分の1相当の財産(自宅の評価額の一部、預貯金、株式、保険解約返戻金など)を取得する内容で、調停を成立させることができました。調停で決まった内容は、法的な効力を持つ調停調書として記録され、履行が期待できます。

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磯田 直也 弁護士からのコメント

離婚時の財産分与において、特に相手が非協力的な場合に弁護士に依頼することには、次のような決定的なメリットがあります。・正確な財産把握と評価: 相手が財産を隠していたり、開示に非協力的だったりする場合、個人で全ての財産を把握することは極めて困難です。弁護士は、弁護士会照会や調査嘱託といった法的手段を用いて、相手名義の財産を調査し、正確な財産を把握することができます。また、不動産や株式など評価が必要な財産についても、専門家と連携するなどして適正に評価します。これが適正な財産分与の出発点であり、弁護士のサポートが不可欠です。・法的な権利(2分の1ルール等)の適切な主張: 「自分が稼いだ金だ」「専業主婦(夫)に分ける必要はない」といった相手の主張は、法的には通用しないことがほとんどです。弁護士は、「2分の1ルール」という法的な権利を、具体的な証拠と法律構成に基づいて、調停委員や裁判官に説得的に主張します。・調停・訴訟での有利な進行: 相手が話し合いに応じない場合、離婚調停や離婚訴訟といった法的手続きを進める必要があります。弁護士は、これらの複雑な手続きに精通しており、依頼者の代理人として、有利に手続きを進めることができます。調停委員や裁判官とのやり取りもスムーズに行えます。・相手方の抵抗への専門的対処: 相手が感情的になったり、不合理な主張を繰り返したりする場合でも、弁護士が冷静かつ論理的に対応します。法的なプレッシャーを与えることで、相手方の態度を軟化させ、解決に導くことが期待できます。・精神的な負担の軽減: 財産分与の話し合いは、離婚の中でも特に精神的な負担が大きいプロセスです。複雑な調査や計算、相手との直接対決などを弁護士に任せることで、依頼者は精神的な負担から解放され、新しい生活への準備に集中することができます。財産分与は、離婚後の生活設計の基盤となる非常に重要な問題です。ご自身だけで判断したり、相手の言い分を鵜呑みにしたりせず、必ず離婚・財産分与に詳しい弁護士にご相談ください。あなたの正当な権利を守り、適正な財産分与を実現するために、全力でサポートいたします。