16924.jpg
風呂で「おしっこ」する夫が許せない・・・そんな理由でも「離婚」できるのか?
2014年03月13日 17時22分

長い交際期間を経て結婚した夫婦でも、一緒に住んでみて初めて知るパートナーの「クセ」というものがある。それが些細なものであれば特に問題ないのだが、たとえば、「風呂場でおしっこをする」というものだとしたら、あなたは我慢できるだろうか。

調査会社リサーチパネルのアンケートによると、10代から50代の男性のうち、実に20%が日常的に風呂場でおしっこをしているという。そんな夫の行為について、妻が知ったらどう思うだろうか。週刊ポストのウェブ版には、夫がシャワー中に小便をしていることに気付いた妻が、怒って実家に帰ってしまったというエピソードも紹介されている。

もしかしたら、女性によっては「そんなのは絶対に許せない」という人もいるかもしれない。はたして、「風呂場でおしっこをするから」という理由で、妻は夫に離婚を迫ることはできるのだろうか。東山俊弁護士に話を聞いた。

長い交際期間を経て結婚した夫婦でも、一緒に住んでみて初めて知るパートナーの「クセ」というものがある。それが些細なものであれば特に問題ないのだが、たとえば、「風呂場でおしっこをする」というものだとしたら、あなたは我慢できるだろうか。

調査会社リサーチパネルのアンケートによると、10代から50代の男性のうち、実に20%が日常的に風呂場でおしっこをしているという。そんな夫の行為について、妻が知ったらどう思うだろうか。週刊ポストのウェブ版には、夫がシャワー中に小便をしていることに気付いた妻が、怒って実家に帰ってしまったというエピソードも紹介されている。

もしかしたら、女性によっては「そんなのは絶対に許せない」という人もいるかもしれない。はたして、「風呂場でおしっこをするから」という理由で、妻は夫に離婚を迫ることはできるのだろうか。東山俊弁護士に話を聞いた。

●結婚を継続できないほどの「重大事」なのか?

「一方的な離婚請求を裁判所に認めてもらうためには、民法770条にあげられている離婚要件のどれかを満たす必要があります。

このうち、『風呂場でおしっこ』が当てはまる可能性があるとすれば、『婚姻を継続し難い重大な事由』(民法770条1項5号)でしょう」

簡単にいうと、結婚を続けられないほどの重大事という意味だが・・・。たとえば、どんな理由なら、これに当てはまるのだろうか?

「これに含まれる範囲は幅広く、たとえば、性格の不一致なども該当します。

一般論として、夫婦は相互に尊重する義務を負っていますので、相手が嫌がることを一方的に押し付けたりすることは認められません。

嫌悪感や押し付けの程度が重大な場合には、『婚姻を継続し難い重大な事由』があるとされる場合もあり得るでしょう。

ただし、よほど重大な事情でない限り、離婚は認められない傾向にあります」

●「離婚するのもやむを得ない」というほどではない

では、「風呂場でおしっこ」は、どうだろうか?

「結論としては、それだけで『婚姻を継続し難い重大な事由』に当たることはないでしょうね。

洗い場に尿が流れる程度であれば、水で流してしまえば汚れやにおいも残らず、衛生面でもそれほどの問題はないと思われます。湯船の中で用をたす場合と違って、それ以後の利用に支障が生じるほどではないでしょう。

もちろん、感情面や清潔感という観点からすれば、問題はあるでしょう。しかし、嫌悪感があるとしても、誰もが離婚をやむを得ないと考える程度ではありませんし、妻に何かの行為を強要したりするわけでもありません」

東山弁護士はこのように結論づけた。そうすると、もし結婚相手にそんなクセがあったら、ずっと我慢し続けるしかないのだろうか?

「もちろん、このことがきっかけとなって、結果的に夫婦関係が崩壊したということになれば、離婚が認められることはあるでしょう。

ただし、『夫婦関係が崩壊した』というためには、結局のところ、別居などの客観的な状況が必要になってくると思われます」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る