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「九州は男女差別がひどい」“さす九”と揶揄する投稿、出身男性が「地域差別。悪いことはしていない」と反論
2024年09月01日 09時52分
#さす九 #さすが九州 #男女差別 #地域差別

ネットでは、九州地方出身や九州地方の男性と接触したことのある人たちから、「九州地方は男女差別がひどい」という声が毎日のように上がっています。

最近では、「女の子だから」という理由で大学進学を反対されている九州地方の高校生がXで注目を集めました。

この高校生は、「塾には行かない」「浪人はしない」「男女交際禁止」「就職は地元でする」「25歳までに結婚が決まらなかったらお見合いする」などを条件に東京の大学の受験を許されたそうです。高校生は誓約書まで書かされたといい、「さす九」と自ら言っていました。

「さす九」とは、「さすが九州」の略称で、「男女差別がひどい」などとネットで指摘される九州地方を揶揄して使われる言葉です。

一方で、「ネット民からの九州差別が苦しい」という声も上がりました。ネットの日記サービス「はてな匿名ダイアリー」に8月20日、佐賀県で生まれ育った30代男性が、こうしたネットの風潮に対して、こんな投稿をして大きな反響を呼びました。

「なぜ、その土地に生まれて生活しているだけでここまで言われなければいけないのか。私は何の悪いこともしていないつもりだ。田舎なだけで、昔男尊女卑の気風があったというだけで、ここまで言われるのはおかしい」(抜粋)

ネットで過熱する「さす九」論争。本当に「地域差別」になるのでしょうか。また、何らかの法的責任は生じるのでしょうか。インターネットの問題に詳しい小沢一仁弁護士に聞きました。

ネットでは、九州地方出身や九州地方の男性と接触したことのある人たちから、「九州地方は男女差別がひどい」という声が毎日のように上がっています。

最近では、「女の子だから」という理由で大学進学を反対されている九州地方の高校生がXで注目を集めました。

この高校生は、「塾には行かない」「浪人はしない」「男女交際禁止」「就職は地元でする」「25歳までに結婚が決まらなかったらお見合いする」などを条件に東京の大学の受験を許されたそうです。高校生は誓約書まで書かされたといい、「さす九」と自ら言っていました。

「さす九」とは、「さすが九州」の略称で、「男女差別がひどい」などとネットで指摘される九州地方を揶揄して使われる言葉です。

一方で、「ネット民からの九州差別が苦しい」という声も上がりました。ネットの日記サービス「はてな匿名ダイアリー」に8月20日、佐賀県で生まれ育った30代男性が、こうしたネットの風潮に対して、こんな投稿をして大きな反響を呼びました。

「なぜ、その土地に生まれて生活しているだけでここまで言われなければいけないのか。私は何の悪いこともしていないつもりだ。田舎なだけで、昔男尊女卑の気風があったというだけで、ここまで言われるのはおかしい」(抜粋)

ネットで過熱する「さす九」論争。本当に「地域差別」になるのでしょうか。また、何らかの法的責任は生じるのでしょうか。インターネットの問題に詳しい小沢一仁弁護士に聞きました。

●「さす九」は「地域差別」なのか?

——「さす九」といった九州地方を揶揄する言葉があります。こうした言葉は「地域差別」になってしまうのでしょうか。

「さす九」という言葉は初めて聞きましたが、そのように呼ぶことの前提事実がどこまであるかによって意見論評なのか、合理的理由のない地域差別なのかが分かれるのではないかと思います。

たとえば、実態として例示されている、女性だから大学に行かせないというような事例が他の地域と比較して多くあるのであれば、そのような事実に基づく意見論評といえるでしょうし、そのような事実もないのに九州地方を揶揄しているのであれば合理的理由のない地域差別といえるのではないでしょうか。

なお、個人の投稿に対して「さす九」と言った場合でも、揶揄されているのは地域ですから、それだけでは名誉毀損には当たらないと思います。ただし、全体の文脈が、当該個人を揶揄するものである場合は、侮辱に当たる可能性があるかもしれません。

●「さす九」を使っても法的責任は生じない?

——「さす九」という言葉を使っても法的な責任は生じないのでしょうか。

地域差別に当たる場合でも、差別されているのは九州地方ですから、法的な責任は生じないのではないでしょうか。九州地方の地方自治体に対する法的責任というものも観念しうるとは思いますが、個々の自治体ではなく九州地方全体を漠然と揶揄することにより各地方自治体に対する法的責任が発生するとも思えません。

なお、特定個人を揶揄する文脈で用いられたときには、当該個人に対する侮辱にあたるかも知れません。仮に当たるとすれば不法行為責任が発生することになります。

●「地域」よりも「不合理な差別」に警鐘を

——ネットでは議論が過熱するばかりで、誹謗中傷を誘引してしまうのではないかと懸念しています。

地域というよりも、女性だからという理由で進学をさせないという、現代社会では不合理な差別としか言いようがない事例が存在することについて警鐘を鳴らしていくべきだと思います。

多かれ少なかれどこの地域でも同じような不合理な差別はあると思われ、これを地域という観点から論じること自体が問題の本質から目を逸らすことになるのではないかと思います。

また、地域の一部の事例をさも地域全体の問題であるかのように取り上げることに合理性はないと思いますし、法的責任の有無はともかく、その地域で生活している人たちの気分を害することにもつながりかねないので、気を付けるべきだと思います。

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