ソフトバンクを退団した松坂大輔投手（37）が1月23日、中日の入団テストを受け、合格した。報道によると、松坂投手は、「ホッとしています」と語り、笑顔を見せたという。
気になる年俸は1500万円（推定）プラス出来高払い。3年で12億円だったソフトバンク時代と比べると、相当な大幅ダウンということになる。
ソフトバンク時代、公式戦は2016年10月の1イニングだけだったということもあり、今後の復活には大きなハードルがありそうだが、これだけの大幅減俸となると、税金の問題も大変そうだ。松坂投手にはどんな税金問題が待ち受けているのか、李顕史税理士に聞いた。
●2億円以上の税金負担
松坂選手の場合、税金はどうなることが想定されるのか。
「2017年の推定年俸が4億円ですから、ここから税金を払う必要があります。ちなみに4億円は売上のようなもので、ここから経費を差し引くことができますが、球団からはユニフォームの支給、練習道具が支給され、また移動交通費も支給されるそうで、経費計上には限界があります。せいぜい自主トレーニングにかかる費用や、トレーナーやマッサージに支払う給料くらいでしょう。
納税時期は確定申告時期の2018年3月頃になります。気になる税額は概算で所得税が1億7,800万円、住民税が4,000万円で、4億円のうち、半分以上が税金となる形です。報道されている通り、来季の年俸が1500万円であれば、住民税よりも低い金額になります」
●翌年の税金の負担は？
ちなみに、年俸1500万円の場合、翌年の税金の負担はどれくらいになるのか。
「年俸1,500万円の場合は、概算で所得税335万円、住民税が150万円となり、手取りが約1,000万円となる計算です。一方で契約には出来高払いも含まれていると報道されています。出来高の内容は不明ですが、例えば大リーグの前田健太投手の場合は昨年、基本給の1.6倍の出来高を獲得しています。
大リーグと日本では単純に比較はできませんが、松坂投手も過去に輝かしい実績を残しているので、年俸1,500万円の倍以上、つまり3,000万円以上の出来高を獲得したとしても不思議ではないでしょう。仮に3,000万円の出来高を獲得したとしたら、税金は所得税が1,560万円、住民税が450万円となります。ちなみに、日本野球機構(NPB)では新人選手を対象にした税の研修も行っています。
松坂投手が活躍して、1円でも多くの出来高を獲得するよう期待してます」
【取材協力税理士】
李 顕史（り・けんじ）税理士
李総合会計事務所所長。一橋大学商学部卒。公認会計士東京会研修委員会委員、東京都大学等委託訓練講座講師。あらた監査法人金融部勤務等を経て、困っている経営者の役に直接立ちたいとの想いから2010年に独立。金融部出身経歴を活かし、銀行等にもアドバイスを行っている。
事務所名 ：李総合会計事務所
事務所URL：http://lee-kaikei.jp/
