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「地上の楽園、真っ赤なウソ」 脱北者が北朝鮮政府を訴えた裁判が結審、来年3月判決へ
2021年10月14日 19時20分

北朝鮮が「地上の楽園」などと称しておこなった帰国事業に参加したところ、凄惨な生活を強いられたなどとして、脱北者5人が北朝鮮政府を相手取り、それぞれ1億円(計5億円)を求めた訴訟の第一回口頭弁論が10月14日、東京地裁であった。原告らの本人尋問があり、即日結審した。判決は2022年3月23日に言い渡される。

北朝鮮に家族がいる原告もいるが、家族は出国が禁じられており、原告らとの交流も絶たれた状況にあるという。裁判を通して、「北朝鮮の帰国事業の違法性を確定させ、日本政府に対応を求めたい」という。

訴状などによると、北朝鮮政府は「地上の楽園」など、「虚偽」の宣伝をおこない、在日コリアンらを北朝鮮に帰国させたが、十分な食糧を与えず、北朝鮮からの出国も認めないなど、基本的人権を抑圧し続けたなどとしている。

帰国事業は1959年から1984年ごろまでに実施され、在日コリアンやその家族の日本人ら9万4440人が北朝鮮にわたったとされる。

北朝鮮が「地上の楽園」などと称しておこなった帰国事業に参加したところ、凄惨な生活を強いられたなどとして、脱北者5人が北朝鮮政府を相手取り、それぞれ1億円(計5億円)を求めた訴訟の第一回口頭弁論が10月14日、東京地裁であった。原告らの本人尋問があり、即日結審した。判決は2022年3月23日に言い渡される。

北朝鮮に家族がいる原告もいるが、家族は出国が禁じられており、原告らとの交流も絶たれた状況にあるという。裁判を通して、「北朝鮮の帰国事業の違法性を確定させ、日本政府に対応を求めたい」という。

訴状などによると、北朝鮮政府は「地上の楽園」など、「虚偽」の宣伝をおこない、在日コリアンらを北朝鮮に帰国させたが、十分な食糧を与えず、北朝鮮からの出国も認めないなど、基本的人権を抑圧し続けたなどとしている。

帰国事業は1959年から1984年ごろまでに実施され、在日コリアンやその家族の日本人ら9万4440人が北朝鮮にわたったとされる。

●提訴から3年が経過していた

北朝鮮政府を訴えた裁判は初めてだといい、2018年8月20日に提訴したあと、日本の裁判所で裁判ができるかどうかなどをめぐって、裁判所と弁護団が6回の協議をおこなったという。

今年8月16日には、北朝鮮政府に訴状を送る「公示送達」が実施された。東京地裁前に金正恩氏に宛てた呼び出し状が掲示されて話題になったが、この日の期日に北朝鮮側は現れなかった。

原告のひとり、川崎英子さん(70代)は17歳で北朝鮮にわたり、43年間を過ごした。帰国事業をめぐっては「人道に対する罪」として、国際刑事裁判所(ICC)に申し立てたこともあったが、ICCが設立された2002年7月より前の出来事として不受理になったという。

期日後の記者会見では、「本当に長い長い時間が流れました」「私たちの活動は北朝鮮にわたった人たちが自由に日本に往来できる日まで、北朝鮮に残した家族に会える日まで続きます」などと語った。

2021年10月14日、編集部撮影

裁判費用を集めるためのクラウドファンディングも同日、専門サイト「READYFOR」(https://readyfor.jp/projects/northkorea)で始まった。300万円を目標に12月10日まで募集する。

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